アテンション・エコノミー(英: attention economy)とは、インターネットが発達するなどした情報過多の高度情報化社会においては、情報の優劣よりも「人々の関心・注目」という希少性こそが経済的価値を持つようになり、それ自体が重要視・目的化・資源化・交換財化されるようになるという実態を指摘した概念。関心経済(かんしんけいざい)とも。

「情報の質的な優秀さ・正確性・倫理性」と、「人々の関心・注目」が、合致する場合もあれば、相反する場合もある。後者の場合、炎上マーケティング・虚偽報道(フェイクニュース)・扇情主義などが問題となる。

歴史

1960年代後半、ノーベル経済学賞を受賞したハーバート・サイモンは、情報経済において「アテンション(関心)」が通貨のように取引されると予言した。

サイモンの予言が現実のものとして扱われるのは、1997年、アメリカの社会学者マイケル・ゴールドハーバー(Michael Goldhaber)による提唱である。

近年、アテンション・エコノミーの負の側面が注目される機会が増え、総務省発行の令和5年(2023年)版の情報通信白書では、インターネット上での偽・誤情報の拡散についての現状分析の冒頭でアテンション・エコノミーを取り上げている。

読売新聞社が2023年に記事とした調査では、アテンション・エコノミーに問題があるとする回答が86%(大いに問題がある39%、多少は問題だ47%)であったとしている。

脚注

関連項目

  • 炎上 (ネット用語) - 実在しない炎上をメディアが生み出す手法を非実在型炎上という。
  • 偏向報道、クリックベイト、フィアモンガリング(恐怖を煽る手口について)
  • 愛国ポルノ、感動ポルノ
  • インフルエンサー、YouTuber
  • ポスト真実の政治
  • エコーチェンバー現象、自動補完(検索の予測機能であるサジェスト機能。興味のある情報に汚染されていく)
  • 広告研究 - 注目度やよく見る広告の関連付け(Google AdSenseなど)などの研究。
  • コースの定理
  • 情報オーバーロード
  • ネットクラシー - ネット技術を活用して権力や金などを得ることについて。

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