シナ語派(シナごは)は、シナ・チベット語族の一語派で、チベット・ビルマ語派とともにこの語族を構成する。漢語派、漢・ペー語派ともいう。
シナ語派はしばしば広義の中国語(官話、粤語、閩語等の総称)と同義語とされ、もう一方のチベット・ビルマ語派は言語系統というよりも中国語以外のシナ・チベット諸語の総称という側面もあった。しかし、1948年以降の研究の進展で、従来チベット・ビルマ語派とされてきたペー語が他のチベット・ビルマ諸語より中国語に近いとする説も唱えられるようになり、この説に従えばシナ語派は中国語とペー語から構成されることになる。
歴史
ペー語をシナ語派と仮定した場合、中国語とペー語はおおよそ上古漢語の時代(殷~秦代)に分かれたと考えられている。
閩語は、中古漢語(隋・唐代)以前に他の中国語諸方言と分かれたと考えられている。これは閩語の音体系に、切韻の音体系と合致しない部分があるためである。
閩語以外の中国語諸方言の音体系は、いずれも切韻の音体系に合致しているため、中古漢語から分かれたと考えられている。
分類
下記の分類は一例である。
- シナ語派(シナ祖語からの派生諸語)
- ? ペー語族
- ペー語
- 蔡家語
- 竜家語 († ?)
- 盧人語 († ?)
- 広義の中国語(上古漢語からの派生諸語)
- 閩語
- 閩北語
- 閩贛語(しばしば閩北語に含まれる)
- 閩東語 (福州語を含む)
- 閩中語
- 莆仙語
- 閩南語
- 泉漳片 (廈門語、台湾語など)
- 潮州語
- 雷州語
- 海南語
- 閩北語
- (中古漢語からの派生諸語)
- 巴蜀語 (蜀語)†
- ドンガン語
- 呉語 (蘇州語、上海語など)
- 温州語
- 徽語 (贛語に分類する説もある)
- 贛語
- 客家語
- 湘語 (湖南語)
- 老湘語(双峰語など)
- 新湘語(長沙語など)
- 辰漵片
- 粤語 (広東語)
- 標準広東語
- 台山話
- 平話
- その他
- 粤北土話
- 儋州話
- 伶話
- 瓦郷話
- 官話(北方語)
- 晋語(官話とは独立した言語(方言)とされることもある)
- 官話(標準中国語(普通話・国語)の基礎である北京語など)
- 閩語
- ? ペー語族
参考文献
関連項目
外部リンク




